オンライン塾算数講師が語る!中学受験の合否を分けた要因は何だったのか②
2023年2月18日
中学受験、算数・理科オンライン指導のKO-HEIです。
「合否を分けた要因は何だったのか!」指導者の立場から3つの要因を詳しく伝えて行きます。
2回目の投稿では「合否を分けた要因②~徹底的な過去問対策が不可欠~」をテーマとして解説します。
率直に言えば「志望校の過去問対策は2学期スタートと同時に始めなければ間に合わない」のが現実です。
「えっ!まだ夏期講習が終わったばかりで9月の月例テストの成績が気になるのに・・・」
「塾のクラス分けテストの方が最優先」
と思っていませんか?
実はこの頃、どこの進学塾でもまだ過去問対策は始めません。
始めないというよりも始められないと言った方が宜しいでしょう。
大半の塾の過去問対策は、早くて11月以降からスタートします。
その理由は「9月に過去問を解かせても、大半の生徒が2~3割程度しか解けない」ことを知っているからです。
「夏期講習にあれだけ通わせたのに、全く志望校に歯が立たない」「夏期講習は意味があったの?」といった不信感や落胆を生徒や親御さんから防ぎたい気持ちがあります。
しかし、現実は9月から過去問対策をスタートさせないと間に合わないのが現状です。
これは中学受験だけでなく大学受験でも言えるのですが、大半の方が1回過去問に目を通してサラッと解くことが「過去問対策」だと勘違いしています。
結論から言えば、このような対策しかしなかった生徒はほぼ志望校に合格出来ません(余程、実力より偏差値が低い学校なら別ですが・・)。
今年、私の塾でもラ・サール中学校に合格した生徒は3回過去問を繰り返し解いて試験に挑み合格を勝ち取りました。
では9月からの過去問対策スケジュールをお知らせしましょう。
9月の時点では、大半の生徒が志望校として5校~6校をピックアップしています。
「過去問対策」では、この5~6校の過去問10年間分を解く必要があります。
算数だけでも50~60過去問、これが国社理となると200~240過去問を解くことになります。
「えっ!そんなに過去問を解くの~」と驚かれる方も少なくないと思いますが、それくらい徹底して過去問対策をしなければ、志望校の合格は厳しいのが現実です。
まず1回目は大半の生徒が、良くて4割程度しか取れません。
点数に囚われがちですが、点数ではなくて間違った箇所、解けなかった問題を徹底的に解説を見ながら理解していきます。
理解できない箇所は塾や個別指導の講師、家庭教師などに積極的に聞いて必ず理解しましょう。
この50~60過去問を解き、解説をみて理解する「1回目の過去問対策」を11月末までに終了しましょう。
通塾して塾のカリキュラムもある程度熟しながら「過去問」に取り組むことが、大変であることはご理解出来たかと思います。
実は、この時期大半の生徒や親御さんは「塾のクラス分け」に神経を尖らせています。
塾のクラス分けで上位のクラスに移ることが「合格への近道」と思い込む傾向にあります。
塾のクラスが上位になるにつれ、志望校の合格点数が加算されるなら納得ですが、塾のクラスなど全く志望校の合格と無関係であることを冷静に判断しましょう。
誤解して欲しくありませんが、夏休み終わりまでは、塾の上位クラスを目指すことを目標にすることで生徒のモチベーションが上がり、頑張る意欲に繋がりますので私も奨励します。
しかし、夏休み明け以降は生徒も親御さんも気持ちを切り替えて下さい。
まだ塾のクラス分けを目指した勉強をしていると、志望校の対策が遅れてしまい結局のところ志望校に合格出来なかった羽目になりかねません。
「塾で上位クラスにいたのに、合格出来なかった」
「塾の偏差値では志望校が十分に合格できる偏差値だったのに、不合格だった」
こういう結果の生徒さんが必ず存在しますが、これは塾を過信して最後までクラス編成に拘った勉強をしていた方に多く見られます。
秋以降は、クラス分けではなく「過去問」に目を向けましょう。
極端な話をすれば、もうこの時期には塾で新しい内容を学ぶ段階は終了しており、志望校の対策を率先して訓練した者勝ちです。
再度繰り返しますが、塾の日曜テスト、月例テストは志望校の合格に全く反映されませんし、志望校の試験内容も塾のテストとは全く違うのです。
塾の偏差値はあくまでも“塾のテスト”の偏差値であることを冷静に判断し塾生内での自分の立ち位置を知る参考程度にしましょう。
11月頃になると塾も「難関校〇〇特訓」「〇〇志望校別コース」「入試問題~特別講座」などを設けて〇〇中学の過去問対策をスタートさせます。(〇〇中学は大半が難関校に限定)
志望校が〇〇中学の生徒さんは、率先してこのコースに参加して過去問対策に力をいれましょう。
問題は志望校が〇〇中学ではない生徒です。〇〇中学志望でもないのに、〇〇中学の過去問対策に通塾していても意味がありません。その間、他の生徒は自分の志望校の過去問対策に十分時間を費やし徹底的に対策をしていることを念頭に入れておきましょう。
塾に「〇〇中学志望ではないのに、この対策コースに通うのですか?」と質問をすると大半が「勿論ですよ。〇〇中学対策コースは貴方の志望校の対策にもなりますから」と返答が返ってきます。
実はこの「〇〇中学受験対策コース」はほぼ難関校に限定され中堅校は設けていません。
設けていない理由は志望者が少ないので採算が合わないのが本音ですが、少しでも偏差値高い受験対策に挑み生徒さんのモチベーションを上げたいと言う気持ちもあるかと思います。
しかし、結局のところ追い込みの時期に志望校でもない学校や理想高い学校の過去問にばかり時間を費やし、「どうしても合格したい!」「確実に合格を勝ち取りたい」学校の過去問が疎かになり“全落ち”とならない様注意が必要です。
その為には、自分の志望校の過去問に予め目を通しておき、塾の「志望校対策コース」で受講する〇〇中学の過去問が“自分の志望校の過去問対策になるのか?”親御さんの判断が必要になります。
各々の中学校によって試験内容には大まかに特徴があります。
例えば
A.問題数が少なく、長時間考えさせて思考力を試す学校
B.問題数が多く、難易度は高くないが正確性を求める学校
C.問題数がかなり多く、難易度は平均で処理能力を見る学校
D.問題数は平均だが、問題に偏りがあり日頃の興味・探究心を探る学校
等々、各中学校によってカラーがあり、試験内容にその特徴は反映されています。
志望校がAの特徴の試験内容であるのに、志望校対策コースで受講する過去問がBの特徴ですと何の志望校対策にもなりません。
塾が自分の志望校と類似する過去問対策を薦めて下されば幸いですが、塾側も数百人の在校生の志望校を細かく把握していないのが現状です(塾でトップレベルの“希望の星”の生徒なら別ですが)。
塾任せにはせず、親御さんが子供の志望校の過去問の特徴を把握して「果たして塾の志望校対策コースに通塾することが合格の道なのか?」この時期には客観的判断が求められます。
極端な話、11月以降は塾も過去問対策がメインですので効率性を考えると
・自宅で過去問を解き、分からない・躓いた箇所は家庭教師、個別指導の講師に個人的に徹底的に指導を受ける
・塾には月例テストだけ受けて、自分の順位、偏差値、合格率のデータ情報だけは取得して
自分の立ち位置を明確にする
(しかし、塾で友達と仲良く学習することで遣り甲斐を感じる子供にはこの方法は向きません)
このような方法で合格を勝ち取っている生徒も少なくありません。
塾任せにせず、親御さんが子供の性格などからしっかり判断することが求められます。
少し話が逸れました。過去問対策のスケジュールに話題を戻しましょう。
11月末までに志望校の過去問1回目を終了しましよう。
12月には2回目を始めますが、この時には1回目で“間違った・躓いた箇所のみ”再度解き直します。1回目でしっかり解説を見たり、個別指導・家庭教師に指導をしてもらい理解出来たはずでも、また解けない箇所があると思います。そこは再度見直して、しっかり理解して下さい。
更には、個別指導・家庭教師に類似問題を依頼して繰り返し練習して下さい。
徹底的に再度躓いた問題・単元の克服をしましょう。
恐らく1ヶ月もあれば、ほぼ2回目は終了します。
1月に入ったら、3回目ですがこの3回目がとても重要です。
過去問を10年分解くとある程度、その中学の特徴が見えます。
・大問は〇問で一つの大問に小問が〇問ある。
・大問1には一行問題が〇問出題される
・大問2には体積(例)の問題が出る
・大問3には速さ(例)の問題で(3)が厄介である。
・大問4は時間がかかる問題である
・大問5は捨て問である
等々、少し例を挙げてみましたがその学校の入試問題の特徴が見えてきますので予め
・どの問題を解くか
・各大問を解くのに何分かかるか
・解く問題の優先順位
・捨て問は(1)だけ目を通して解く
と言った作戦を練ってから時間厳守で本番と同じように解いてみましょう。
10年分をこの状況で解くことで、解き方が自然と身体で身につきます。
いくら頭で計算して挑んでも、入試当日は緊張して上手く行きません。
身体で身に着けさせるくらいのトレーニングが入試にも大切です。
3回目で10年分コンスタントに解答率が8割程度になることが理想です。
3回目の投稿では「合否を分けた要因③~志望校の選択ミスは許されない~」をテーマとして解説します。
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「合否を分けた要因は何だったのか!」指導者の立場から3つの要因を詳しく伝えて行きます。
2回目の投稿では「合否を分けた要因②~徹底的な過去問対策が不可欠~」をテーマとして解説します。
率直に言えば「志望校の過去問対策は2学期スタートと同時に始めなければ間に合わない」のが現実です。
「えっ!まだ夏期講習が終わったばかりで9月の月例テストの成績が気になるのに・・・」
「塾のクラス分けテストの方が最優先」
と思っていませんか?
実はこの頃、どこの進学塾でもまだ過去問対策は始めません。
始めないというよりも始められないと言った方が宜しいでしょう。
大半の塾の過去問対策は、早くて11月以降からスタートします。
その理由は「9月に過去問を解かせても、大半の生徒が2~3割程度しか解けない」ことを知っているからです。
「夏期講習にあれだけ通わせたのに、全く志望校に歯が立たない」「夏期講習は意味があったの?」といった不信感や落胆を生徒や親御さんから防ぎたい気持ちがあります。
しかし、現実は9月から過去問対策をスタートさせないと間に合わないのが現状です。
これは中学受験だけでなく大学受験でも言えるのですが、大半の方が1回過去問に目を通してサラッと解くことが「過去問対策」だと勘違いしています。
結論から言えば、このような対策しかしなかった生徒はほぼ志望校に合格出来ません(余程、実力より偏差値が低い学校なら別ですが・・)。
今年、私の塾でもラ・サール中学校に合格した生徒は3回過去問を繰り返し解いて試験に挑み合格を勝ち取りました。
では9月からの過去問対策スケジュールをお知らせしましょう。
9月の時点では、大半の生徒が志望校として5校~6校をピックアップしています。
「過去問対策」では、この5~6校の過去問10年間分を解く必要があります。
算数だけでも50~60過去問、これが国社理となると200~240過去問を解くことになります。
「えっ!そんなに過去問を解くの~」と驚かれる方も少なくないと思いますが、それくらい徹底して過去問対策をしなければ、志望校の合格は厳しいのが現実です。
まず1回目は大半の生徒が、良くて4割程度しか取れません。
点数に囚われがちですが、点数ではなくて間違った箇所、解けなかった問題を徹底的に解説を見ながら理解していきます。
理解できない箇所は塾や個別指導の講師、家庭教師などに積極的に聞いて必ず理解しましょう。
この50~60過去問を解き、解説をみて理解する「1回目の過去問対策」を11月末までに終了しましょう。
通塾して塾のカリキュラムもある程度熟しながら「過去問」に取り組むことが、大変であることはご理解出来たかと思います。
実は、この時期大半の生徒や親御さんは「塾のクラス分け」に神経を尖らせています。
塾のクラス分けで上位のクラスに移ることが「合格への近道」と思い込む傾向にあります。
塾のクラスが上位になるにつれ、志望校の合格点数が加算されるなら納得ですが、塾のクラスなど全く志望校の合格と無関係であることを冷静に判断しましょう。
誤解して欲しくありませんが、夏休み終わりまでは、塾の上位クラスを目指すことを目標にすることで生徒のモチベーションが上がり、頑張る意欲に繋がりますので私も奨励します。
しかし、夏休み明け以降は生徒も親御さんも気持ちを切り替えて下さい。
まだ塾のクラス分けを目指した勉強をしていると、志望校の対策が遅れてしまい結局のところ志望校に合格出来なかった羽目になりかねません。
「塾で上位クラスにいたのに、合格出来なかった」
「塾の偏差値では志望校が十分に合格できる偏差値だったのに、不合格だった」
こういう結果の生徒さんが必ず存在しますが、これは塾を過信して最後までクラス編成に拘った勉強をしていた方に多く見られます。
秋以降は、クラス分けではなく「過去問」に目を向けましょう。
極端な話をすれば、もうこの時期には塾で新しい内容を学ぶ段階は終了しており、志望校の対策を率先して訓練した者勝ちです。
再度繰り返しますが、塾の日曜テスト、月例テストは志望校の合格に全く反映されませんし、志望校の試験内容も塾のテストとは全く違うのです。
塾の偏差値はあくまでも“塾のテスト”の偏差値であることを冷静に判断し塾生内での自分の立ち位置を知る参考程度にしましょう。
11月頃になると塾も「難関校〇〇特訓」「〇〇志望校別コース」「入試問題~特別講座」などを設けて〇〇中学の過去問対策をスタートさせます。(〇〇中学は大半が難関校に限定)
志望校が〇〇中学の生徒さんは、率先してこのコースに参加して過去問対策に力をいれましょう。
問題は志望校が〇〇中学ではない生徒です。〇〇中学志望でもないのに、〇〇中学の過去問対策に通塾していても意味がありません。その間、他の生徒は自分の志望校の過去問対策に十分時間を費やし徹底的に対策をしていることを念頭に入れておきましょう。
塾に「〇〇中学志望ではないのに、この対策コースに通うのですか?」と質問をすると大半が「勿論ですよ。〇〇中学対策コースは貴方の志望校の対策にもなりますから」と返答が返ってきます。
実はこの「〇〇中学受験対策コース」はほぼ難関校に限定され中堅校は設けていません。
設けていない理由は志望者が少ないので採算が合わないのが本音ですが、少しでも偏差値高い受験対策に挑み生徒さんのモチベーションを上げたいと言う気持ちもあるかと思います。
しかし、結局のところ追い込みの時期に志望校でもない学校や理想高い学校の過去問にばかり時間を費やし、「どうしても合格したい!」「確実に合格を勝ち取りたい」学校の過去問が疎かになり“全落ち”とならない様注意が必要です。
その為には、自分の志望校の過去問に予め目を通しておき、塾の「志望校対策コース」で受講する〇〇中学の過去問が“自分の志望校の過去問対策になるのか?”親御さんの判断が必要になります。
各々の中学校によって試験内容には大まかに特徴があります。
例えば
A.問題数が少なく、長時間考えさせて思考力を試す学校
B.問題数が多く、難易度は高くないが正確性を求める学校
C.問題数がかなり多く、難易度は平均で処理能力を見る学校
D.問題数は平均だが、問題に偏りがあり日頃の興味・探究心を探る学校
等々、各中学校によってカラーがあり、試験内容にその特徴は反映されています。
志望校がAの特徴の試験内容であるのに、志望校対策コースで受講する過去問がBの特徴ですと何の志望校対策にもなりません。
塾が自分の志望校と類似する過去問対策を薦めて下されば幸いですが、塾側も数百人の在校生の志望校を細かく把握していないのが現状です(塾でトップレベルの“希望の星”の生徒なら別ですが)。
塾任せにはせず、親御さんが子供の志望校の過去問の特徴を把握して「果たして塾の志望校対策コースに通塾することが合格の道なのか?」この時期には客観的判断が求められます。
極端な話、11月以降は塾も過去問対策がメインですので効率性を考えると
・自宅で過去問を解き、分からない・躓いた箇所は家庭教師、個別指導の講師に個人的に徹底的に指導を受ける
・塾には月例テストだけ受けて、自分の順位、偏差値、合格率のデータ情報だけは取得して
自分の立ち位置を明確にする
(しかし、塾で友達と仲良く学習することで遣り甲斐を感じる子供にはこの方法は向きません)
このような方法で合格を勝ち取っている生徒も少なくありません。
塾任せにせず、親御さんが子供の性格などからしっかり判断することが求められます。
少し話が逸れました。過去問対策のスケジュールに話題を戻しましょう。
11月末までに志望校の過去問1回目を終了しましよう。
12月には2回目を始めますが、この時には1回目で“間違った・躓いた箇所のみ”再度解き直します。1回目でしっかり解説を見たり、個別指導・家庭教師に指導をしてもらい理解出来たはずでも、また解けない箇所があると思います。そこは再度見直して、しっかり理解して下さい。
更には、個別指導・家庭教師に類似問題を依頼して繰り返し練習して下さい。
徹底的に再度躓いた問題・単元の克服をしましょう。
恐らく1ヶ月もあれば、ほぼ2回目は終了します。
1月に入ったら、3回目ですがこの3回目がとても重要です。
過去問を10年分解くとある程度、その中学の特徴が見えます。
・大問は〇問で一つの大問に小問が〇問ある。
・大問1には一行問題が〇問出題される
・大問2には体積(例)の問題が出る
・大問3には速さ(例)の問題で(3)が厄介である。
・大問4は時間がかかる問題である
・大問5は捨て問である
等々、少し例を挙げてみましたがその学校の入試問題の特徴が見えてきますので予め
・どの問題を解くか
・各大問を解くのに何分かかるか
・解く問題の優先順位
・捨て問は(1)だけ目を通して解く
と言った作戦を練ってから時間厳守で本番と同じように解いてみましょう。
10年分をこの状況で解くことで、解き方が自然と身体で身につきます。
いくら頭で計算して挑んでも、入試当日は緊張して上手く行きません。
身体で身に着けさせるくらいのトレーニングが入試にも大切です。
3回目で10年分コンスタントに解答率が8割程度になることが理想です。
3回目の投稿では「合否を分けた要因③~志望校の選択ミスは許されない~」をテーマとして解説します。