『算数「割合」が出来なければ中学受験は厳しい』

中学受験、算数、オンライン指導のKO-HEIです。
このページでは“中学受験を挑戦するにあたり「割合」の考え方が如何に重要か“
言い換えれば“「割合」が出来なければ中学受験は厳しいといっても過言ではない“
その意味を詳しく説明しますので、中学受験をお考えの方、挑戦中の方是非参考にして下さい。

そもそも算数の「割合」とは
「もとにする量を1としたとき、比べる量がどれだけにあたるかを表した数」を意味します。
この「割合」の考え方が算数、いや数学の原点なのですがこの考え方を習得するのが子供にとって容易いことではないのが現状です。
その理由は、実はこの解法に問題があります。
多くの子供達がこの「割合」で最初に挫折し「算数嫌い」になります。
ではどうして「割合」が苦手になるのか?
詳しく解説しましょう。

塾の教材では『割合の3公式』として
・もとにする量×割合=比べる量
・比べる量÷もとにする量=割合
・比べる量÷割合=もとにする量
と言って学習しますが、そもそも子供には「もとにする量」「比べる量」と言われてもイメージが出来ません。
本来、子供は「何故そうなるのか?」「どうして?」「不思議だなぁ」と疑問を追究することに興味を持ちます。
しかし、塾でもその疑問解決には触れず『割合の3公式』を活用した問題演習ばかり学習させます。
子供達はモヤモヤ感を抱き「割合」の意味も明確にならないまま学習を続けます。

「もとにする量?」「比べる量?」と意味も分からず、次から次へと問題演習にチャレンジすることが“面白い”と決して言えないのは当然の結果ではないでしょうか。
答えが分かっても「その答えが何を意味するのか?」理解出来ずただ単に手作業をしている学習を本来子供は好きではありません。

自然の中で昆虫を探して観察して「昆虫」の擬似体験をしてみたり、宇宙はどうなっているのか?と映像や事典で調べて感動したり、電車や車の仕組みを調べて博士気分を味わったり・・・・ゲームと同様に自分の感情移入が出来る内容でないと興味を持たないのです。

『なぜ?そうなるのか』そもそも『割合とは何なのか?』など“理屈が分からないと興味を持てない”子供ほど学習意欲が低下するのは、とても理解できます。

子供は“興味が持てないこと”は耳に入りません。
大人なら「成績アップのためには仕方がない!」と学ぶこともある程度可能ですが、子供は自分に正直で興味を持てないことには学ぶ気持ちにならないのです。
でも逆に言い換えれば、興味を持ったことは直ぐに頭に入ります。

つまり、割合が苦手なのは
「割合とは何か?意味も分からずイメージが持てないまま、ただ“3公式の活用”をする学習が面白くない」からなのです。
面白くないから学習したくない!
学習しないから理解出来ない!

更に不運にもこの「割合」の考え方は
・濃さ(濃度算)
・速さ
・売買損益(損益算)
・比(分配算・相当算・仕事算など)
などありとあらゆる単元で必要になりますから、結局「割合が分からない」が「算数が分からない」「算数が嫌い」にリンクしてしまいます。

言い換えれば「割合」の考え方が出来れば、以上の単元は出来るようになる!と言えるでしょう。
極端な話、割合が出来れば算数が出来る!のです。

ではどうしたら「割合」の考え方ができるようになるのか?

そもそも算数は覚える科目ではありません。
公式もやり方も覚えることではないのです。
公式を覚える習慣が身につきますと極端に算数が出来なくなります。
面白くないですから・・・
興味が持てないですから・・・

①割合の意味は図で理解する
②割合は線分図を活用する

で理解を深めていきましょう。

②は中学受験塾の教材で解説されていますし塾で学ぶ内容ですが、その基盤になる①が教材でも塾でも疎かにされている点が問題なのです。

では
次の例題で「割合とは何か」を図で説明しましょう!
『Aさんは所持金の3/8を使って750円の本を買いました。はじめの所持金は何円でしたか?』

塾の解説では
「この問題は“もとにする量”を求める問題だから
比べる量÷割合=もとにする量
の公式から
750÷3/8=2000円
はじめの所持金は2000円ですね!」
と解説されるでしょう。
これでは子供は何もイメージができません。ただの数字の羅列にしか思えないのです。
時々、計算間違いをして平気で200円と答えている生徒もいます。
「750円の本を買っているのに所持金が200円って可笑しくない?」と伝えてもキョトンとした顔をしている生徒も少なくありません。
つまり、この数字の意味が理解出来ていないから解答の数字に疑問を感じないのです。

では、「割合」をピザに例えて解説してみましょう。


『所持金を1枚のピザに例えたら、所持金の3/8とはピザを8つに分けた3つ分だね。
図のように黒線で区切った①②③ピザ3つ分が750円ですね。
では1つ分はいくらでしょうか?』
と生徒に尋ねると
生徒は「750÷3=250円」と簡単に答えます。
『そう!ピザを8つに分けた1つは250円だからピザ1枚は?』
生徒は「250×8=2000円」と直ぐに答えます。
『はい!正解!所持金は1枚のピザだったから2000円だね!』
と、簡単に答えられるのです。
「割合の3公式」など全く必要でもありませんし、このピザの絵が書ければ子供は誰でも答えられるのです。
つまり、訳も分からない公式を覚えることで算数を難しくしていることを理解して頂けると思います。

この問題を以下のように質問内容を変えても子供はピザの絵から求められます。
「2000円のうち750円はどれくらいですか?」
子供はこう言った問題の時、
2000÷750なのか750÷2000なのか?
言葉の意味(言い回し)が曖昧になり分からなくなります。
しかし、1枚が2000円のピザとしたら、750円は少なくとも1枚をいくつかに分けた〇個分ということはイメージできます。
2000÷750=2.6・・・・これって1枚より多くて変!!って分かるのです。
そっか~
750÷2000=0.375(3/8)
ピザを8個に分けた3個分か~
とイメージが出来て楽しくなるのです。

更に探究心が強い子供は
「僕のお年玉8000円もらってそのうち1600円使ったけど、それってどれくらい使ったことになるのかな?」
「わぁ~、ピザ5個のうち1個食べたことになる~」
なんて、勝手に自分で割合計算をして楽しむ子供もいます。

こうして図案で解説することで子供には「割合」の意味が明確になり、イメージが持てるようになります。
イメージが持てると「面白い!」のです。

算数は「割合」が原点であり、割合の考え方が出来ない子供は先ず中学受験は出来ません。
小学5年生は必ず「割合」が出来るようにして下さい。


ここからは雑談ですが、如何に子供にイメージが持てる学びが大切か!

先日、小学5年生の生徒がある体積の問題の解答13立方cmについて質問して来ました。
生徒:「13立方cmってどれくらいかなぁ?」
私:「1辺2.5cm程のサイコロくらいだよ」
生徒:「それって飲むと何口くらい?」
私:「2~3口くらいかなぁ」
生徒:「ふ~ん」
と言って考えていました。
正に頭でイメージして、自分で実体験して感情移入している瞬間です。

更に近くにあった辞書を見て
生徒:「これって何立方cmくらいかなぁ」
と言って定規で測っていました。
生徒:「13cm×20cm×5cmくらい!1300立方cmってことは1.3リットル」
私:「そうだね~この辞書って1リットルのペットボトルよりデカい!ってことだね」
生徒:「え~!ペットボトルの方が大きく見えるけど、見かけと違うんだぁ」
と興味を持って辞書を見つめていたのが印象的でした。
子供はこう言った学びが大好きなのです。

また、このような実体験から“13立方cm”“1300立方cm”がどれくらいなのか?量が分かり、算数の問題で頻出される数字、単位をイメージし易くなります。
イメージが出来ると興味を持って問題に取り組もうとしますので、結果「算数」が楽しくなり得意になっていきます。

繰り返しになりますが
『子供は“なぜ?そうなるのか”理屈が分かり、イメージが持てる学びでなければ興味を持たない』
いくら塾の教材を学習しても興味が持てないことは身につかないのです。

是非、参考にして下さい。

?Gg[???ubN}[N??