オンライン塾・算数講師が語る!「中学受験生の親が絶対にしてはいけないこと」
2023年5月8日
オンライン塾、中学受験算数・理科専門講師のKO-HEIです。
今回は「中学受験をする上で、親御さんが絶対にやってはいけないこと」について、実話も取り入れて解説します。
中学受験は「親の受験」と言われる程、子供だけでなく親、塾との連携がなければ志望校の合格は厳しいのが現状です。
親御さんも毎日の子供の塾への送迎、塾の復習、塾のカリキュラムに沿った生活・・・・と小学4年生頃から約3年間、子供と同じく「中学受験」という長いレールに乗り必死に務める生活は想像以上に大変で厳しい道のりです。時には感情的になることも理解出来ますし、相当なメンタルが要されます。
しかし、反面この3年間の「中学受験」時代の生活が、その後の子供の成長に大きく影響することも忘れてはなりません。
今回は親御さんの「中学受験」に必死なあまりに方向性を誤った結果、中学入学後の子供の無力感、性格にまで大きな影響を与えてしまい、最悪は進学校を辞めてしまったと言う実話を交えて「中学受験生を持つ親が絶対にしてはいけないこと」ワースト3つをお知らせします。
≪ワースト1「〇〇中学(志望校)に入学すれば“勉強しなくて良い”」発言≫
「〇〇中学にさえ入れば、もう頑張らなくても〇〇大学(難関大学)まで安心」「今だけ頑張れば、もう今後勉強しなくて済むから」と言ったような言葉を発言することは絶対にしてはいけません。
中学受験生、まだ10~12歳!
親御さんは気合を入れるつもりで発する言葉でも子供はそのまま信じます。
親のこのような発言をいつまでも覚えています。
「今だけ頑張れば良い」「中学さえ入れば、もう勉強しなくて良い」さらに「〇〇中学に入学すれば楽しい生活が待っている」とドンドン気持ちを高め信じて必死に頑張ります。
ついつい親はその子供の頑張りを嬉しく感じ、更に拍車をかけて「〇〇中学に入学さえすれば・・・・・」が口癖になります。
子供は「〇〇中学に入学さえすれば幸せな生活」と暗示にかかったように頑張ります。
受験勉強の時期はこの状況に、親子共々「〇〇中学合格!」の目標に向かって一丸となり一見良い家庭環境です。
ところが、この一見良い家庭環境が〇〇中学に入学後、じわじわと悪化の一途をたどる傾向にあることを忘れてはなりません。
〇〇中学校は、当然厳しい受験を乗り越えて来た生徒達ばかりの優秀な進学校です。
入学後、このような優秀な生徒達の中で進学校の進度の速い学習が新たに始まります。
子供は「〇〇中学に入学さえすれば、勉強しなくて良い」「〇〇中学では、遊べる!」と期待して受験勉強を乗り切ったのに、現実が「そうではない」ことを実感する時が来ます。
「〇〇中学に入学さえすれば、勉強しなくて良いと親が言ったのに・・・・」
「〇〇中学に入ったら、もう頑張らなくて良いと家族が言ったのに・・・」
あ~僕(私)は親に騙された!!!
ここから2つの実話をお話しましょう。
ある超難関大学附属中学に入学した男子です。
「〇〇大学附属中学に入学さえすれば、〇〇大学までストレート!」
この意識が中学受験時代に脳に定着し、〇〇中学に入学した時点で彼の学びはゴール地点に到達しました。
〇〇中学2年生の彼は
「なぜ、〇〇中学に入学したのに勉強しなくてはならないんだ!」
「進級できれば良いんだろ!」
「これ以上、勉強する意味があるのか!」
「なんの為に勉強しなくてはならないんだよ!」
が口癖でした。
それでなくても、中学2~3年の男子はほぼ反抗期を迎えます。
彼は〇〇中学校で、部活も学校の活動にも積極的に参加することはなく学校と家をただひたすら往復する日々。
〇〇大学の学歴をゲットすることだけが目的の学生生活で「いつも家で寝ている」といった無力感に陥ったのです。
親御さんも中学2年生の彼に「頑張って勉強しなさい!」が堂々と言えません。
あの2年前の
『〇〇大学附属中学に入学さえすれば、〇〇大学に入学できるから』
の発言を子供が覚えていますから・・・
〇〇大学の学歴が得られても、“将来の目標や夢、チャレンジ精神”と全く無縁の彼にとって
「何の為の中学受験だったのか!」と感じます。
超難関女子中学に入学した女子。
中学受験塾ではいつもトップクラスに所属し、彼女の超難関中学合格は確実でした。
このご家庭でも家族一丸となって彼女を応援!
励ましの言葉は、やはり
『〇〇中学に合格さえすれば、“もう勉強しなくても良いから”・・・・』
彼女はこの家族の言葉を信じて必死に頑張り見事に合格!!
ところが、先述の通り入学した難関中学は優秀な女子ばかりですし進度が速く、流石に賢い彼女でも勉強しないではいられません。
中学校に入学すると早速、難関大学に向けての勉強に追い詰められました。
「〇〇中学に合格すれば、“もう勉強しなくて良い”と言ったのに・・・・」
“親に裏切られた”と思う彼女の怒りは日に日に増していきます。
一方、親御さんは中学受験時代に発した“もう勉強しなくて済むから・・・”発言はすでに記憶から消え「何の為に〇〇中学に入ったの!難関大学に入学するためでしょ!しっかり勉強しないと・・・」と子供に発破を掛ける日々。
結末は彼女の親への怒りは収まらず、不登校と言う形で反抗し〇〇中学を辞めてしまいました。
中学受験時代、家族一丸となって「〇〇中学校合格」の目標を達成したにも関わらず、親子の信頼は喪失し、学ぶ“喜び”どころか学びに“憎悪”を感じる結果にまで彼女を追い詰めた中学受験は
「なんの為の中学受験だったのか」と惜しまれてなりません。
中学受験勉強の時期は必死なあまりに「この時期さえ乗り越えれば・・・・」と思う気持ちも十分に分かりますが、どこか親は冷静さを忘れずにいることの大切さを感じます。
中学受験は今後、中学~高校~大学と続く学生時代の一つの過程に過ぎずゴールではありません。
それよりも中学受験勉強で完全燃焼をしてしまい、学びへの意欲を失ったり、勉強への興味・探究心がなくなることの方が長い今後の人生に大きな打撃を与えてしまうことを親御さんは十分に理解して欲しいと思います。
そして、中学受験にチャレンジしている子供達には
未知なことを学ぶ楽しさやワクワク感を実感できる受験勉強であって欲しいと切に願います。
≪ワースト2「日曜テストで〇点以上の成績だったら〇〇して良い」と条件を付ける≫
ついつい目先のテスト(月例テスト・日曜テストなど)の成績が気になり「今度のテストで〇点以上だったら〇○して良いよ~」と激励の気持ちで親御さんは子供に条件を付けがちです。
この条件付き激励は、一瞬子供のモチベーションアップに繋がり成績向上になると思われがちですが、それはとても甘い考えです。
まだまだ10歳前後の子供。
中学受験に対する意識はあるものの、その場の楽しさに魅かれるのは当然のことです。
「“取りあえず”日曜テストで〇点さえ取れれば・・・・・〇〇が出来る!」が過ります。
“取りあえず”テストで〇点取るには・・
“取りあえず”問題1と問題2が出来れば〇点取れる
“取りあえず”問題1と問題2の解き方を“覚えれば”〇点取れる
と、〇点取ることが目的になります。
勿論、テストで〇点取ることを“目標”にするのは良いのですが、〇点取ることが“目的”の勉強になりますと「学びが義務」になってしまいます。
義務化した勉強は
「なぜ、そうなるのか?」「へえ~不思議な現象だ~」と言った未知なことを学ぶ喜びを得ようとしません。
「分かった!」と理解した喜びを感じません。
「どうしたら問題1は解けるのか」「問題2の解き方は?」と解き方(解法テクニック)にばかり執着し、講師のやり方を取りあえず覚え、教材の知識を丸暗記して「〇点勝ち取るために」と目的を達成しようとします。
実は
小学生の子供の脳はスポンジのように興味のあることをドンドン吸収し、自分が「面白い!」「楽しい!」と思ったことは率先して学んでいきます。
子供達は解答よりも興味をもったことの“過程”を知ることに面白味を感じるのです。
全く勉強という意識はなく遊び感覚で探究し、思考力を自ら付けて行きます。
大人では想像できない程、子供の脳には才能があるのです。
少し話がそれました。元に戻しましょう。
一見、条件付きの激励は子供の勉強意欲を高め成績向上に繋がると考えがちですが、実は子
供に条件を獲得する手段を提供しているに過ぎません。
心から学びの喜びを実感する勉強どころか子供を煽らせる羽目になり「〇〇をしても良いと親の許可を得る為に勉強を“しなくてならない”」と義務感を覚えるのです。
義務感でする勉強が楽しいものではないことはご存知だと思います。
楽しくない勉強が身につかないこともご理解出来ると思います。
当然成績は上がりません。
偶に
「子供は一生懸命勉強しているけど、成績が全く上がらなくて・・・」とのお悩みを親御さんからお聞きします。
その子供の勉強は本当に楽しんでやっているでしょうか?
未知なことを知る喜びで学習しているでしょうか?
もしかしたら、義務化された勉強になっていないか。今一度振り返っていただきたいと思います。
『テストで〇点以上だったら〇〇して良い』の条件付きで子供は
1、「〇〇したいから〇点をとらなければならない」と〇点をとることが目的になる
2、目的化した勉強は義務感になる
3、義務化した勉強は学びの喜びを実感しない
4、学びの喜びがない学習に思考力はつかない
5、思考力が乏しい子供は学力がつかない
この現象が循環していき結果、成績向上どころか中学受験もいや、中学以降の勉強にも良い結果を導いてくれることはほぼありません。
ついつい親御さんは塾のクラス編成が気になり、目前の月例テスト(日曜テストなど)の点数を1点でも多く獲得して欲しい願いから条件を付けがちですが、これが習慣になりますと想像以上に今後の勉強意欲に影響を与えるのです。
『学びの喜び』を実感することはなく、それは中高校生の勉強にも大きな打撃を与えます。
≪ワースト3「子供の決定権」を奪ってしまう≫
中学受験は挑む子供だけでなく、勿論親御さんやご家庭の考え、要望などがあるのは当然であり「子供にとって良かれ!」と思って何事も対応なさっているのはとても理解できます。
しかし、最後の決断は子供の意思を尊重して下さい。
何故なら
『中学受験をするのは子供だから』です。
特に、塾の選択、受験校の選択などは必ず「子供が行きたい学校(塾)」と、本人である子供に決定権を委ねましょう。
親が受験校の決定権を奪ってしまった結果「何の為の中学受験勉強だったのか!」という残念に終わった実話を紹介して、このテーマ「中学受験生の親が絶対にしてはいけないこと」を終わりにしたいと思います。
小学6年の男子で9月頃、受験校の過去問対策をして欲しいと言う依頼を受けました。
9月時点では「A大学附属中学校かB中学校を希望している」という親御さんからの要望があり、早速A大学附属中学校とB中学校の算数・理科の過去問をスタート。
ところが2ヶ月後の11月。
A大学附属中学校の過去問が解けないのを見越してか「A大学附属中学校は厳しいみたいなので辞めます。代わりにC中学校にしましたのでこちらの過去問対策をお願いします」と親御さんから連絡。
子供に「A大学附属中学校に行きたかったのではないの?」と尋ねると“合格は厳しいという親の考え”を察知してか「うん、わからない」と返事。
それでも「B中学校には合格できるかも・・・」という子供の切実な願いを感じました。
その1ヶ月後の12月。
「子供がC中学校に行きたい!と言っているのでB中学校の受験は辞めます。代わりにD大学附属中学校を受験しますので、D大学附属中学校の過去問に切り替えて下さい」とまた親から連絡。
流石に驚いて本人に「君はB中学校に行きたかったのではないの?」と聞くと
「うん!僕、C中学校は見学に行ったこともないし、行きたいかどうか“わからない”」
と正直な気持ちが返ってきました。
親御さんに「本人はB中学校を希望していますよ。C中学校は行ったことがないから分からない」と言っていることを伝えますと
「B中学校の国語の試験内容が中学受験に適していません。こんな内容を入試に出す学校は私の家庭の教育方針に合わない」とB中学校の受験を辞めた本音をお聞きして衝撃でした。
『子供の意思ではなく、親の意思で簡単に決める』のです。
B中学校を見学して子供が「行きたい!」と決断したものを、国語の頻出内容が気に入らないといった親の偏見で簡単に子供の決定権を奪ってしまっているのです。
この頃から子供のモチベーションは下がり、授業にも集中力がありません。
当然ですね。自分がB中学校に行きたいから頑張って勉強してきたのに、簡単にその決定権を奪われてしまっているのですから・・・
更に、年も明けて受験を数週間後に控えている最中、
「C中学校とD大学附属中学校の過去問を再度見直すように」とアドバイスを差し上げたところ、
親御さんから「C中学校を受験するのを辞めました」とまたまた衝撃の発言が・・
その理由は
「どう考えても息子がC中学校に合格するとは思えないので・・・」
と返答がありました。
また、
『子供の意思ではなく、親の意思で簡単に決める』のです。
この5か月間
A大学附属中学校からB、C中学校、更にD大学附属中学校と過去問対策をして来ましたが「何のための受験対策だったのか!」と怒りと残念が拭えない始末。
結局
D大学附属中学校(3回まで受験可能な学校)を3回受験して、全て不合格
で彼の中学受験は終了しました。
なぜ
『子供の決定権を奪うのか?』
結論から言えば、
『親が子供を信じ切っていないから。』
“どのような結果で終わっても子供が自分で決めたこと(B中学校に行きたい)を信じ、「決めたことを最後までやりきった」素晴らしさを褒め称えよう“
と心から親が思えないことから生じたこの結末は、一番本人である子供が傷つき忘れることが出来ない悲劇になったと感じてなりません。
受験をするのは子供です。
自分が行きたい!と心から願い、受験校を決めて頑張って勉強したのは子供です。
子供の決定権を絶対に奪わないで下さい。
「中学受験生を持つ親が絶対にしてはいけないこと」ワースト3つを実体験に基づき記載しました。
このワースト3は単なる“中学受験時代の思い出”では済まされず、いつまでも子供達の心に残り大きな影響を及ぼす可能性があることを決して忘れてはなりません。
指導者である私達も同様に、“学びは楽しいもの”であり子供達が将来の目標・夢を抱き様々なことにチャレンジできる助っ人として努めていく次第です。
このページは自動的に翻訳されました。元の内容と異なる場合がありますので、ご注意ください。
今回は「中学受験をする上で、親御さんが絶対にやってはいけないこと」について、実話も取り入れて解説します。
中学受験は「親の受験」と言われる程、子供だけでなく親、塾との連携がなければ志望校の合格は厳しいのが現状です。
親御さんも毎日の子供の塾への送迎、塾の復習、塾のカリキュラムに沿った生活・・・・と小学4年生頃から約3年間、子供と同じく「中学受験」という長いレールに乗り必死に務める生活は想像以上に大変で厳しい道のりです。時には感情的になることも理解出来ますし、相当なメンタルが要されます。
しかし、反面この3年間の「中学受験」時代の生活が、その後の子供の成長に大きく影響することも忘れてはなりません。
今回は親御さんの「中学受験」に必死なあまりに方向性を誤った結果、中学入学後の子供の無力感、性格にまで大きな影響を与えてしまい、最悪は進学校を辞めてしまったと言う実話を交えて「中学受験生を持つ親が絶対にしてはいけないこと」ワースト3つをお知らせします。
≪ワースト1「〇〇中学(志望校)に入学すれば“勉強しなくて良い”」発言≫
「〇〇中学にさえ入れば、もう頑張らなくても〇〇大学(難関大学)まで安心」「今だけ頑張れば、もう今後勉強しなくて済むから」と言ったような言葉を発言することは絶対にしてはいけません。
中学受験生、まだ10~12歳!
親御さんは気合を入れるつもりで発する言葉でも子供はそのまま信じます。
親のこのような発言をいつまでも覚えています。
「今だけ頑張れば良い」「中学さえ入れば、もう勉強しなくて良い」さらに「〇〇中学に入学すれば楽しい生活が待っている」とドンドン気持ちを高め信じて必死に頑張ります。
ついつい親はその子供の頑張りを嬉しく感じ、更に拍車をかけて「〇〇中学に入学さえすれば・・・・・」が口癖になります。
子供は「〇〇中学に入学さえすれば幸せな生活」と暗示にかかったように頑張ります。
受験勉強の時期はこの状況に、親子共々「〇〇中学合格!」の目標に向かって一丸となり一見良い家庭環境です。
ところが、この一見良い家庭環境が〇〇中学に入学後、じわじわと悪化の一途をたどる傾向にあることを忘れてはなりません。
〇〇中学校は、当然厳しい受験を乗り越えて来た生徒達ばかりの優秀な進学校です。
入学後、このような優秀な生徒達の中で進学校の進度の速い学習が新たに始まります。
子供は「〇〇中学に入学さえすれば、勉強しなくて良い」「〇〇中学では、遊べる!」と期待して受験勉強を乗り切ったのに、現実が「そうではない」ことを実感する時が来ます。
「〇〇中学に入学さえすれば、勉強しなくて良いと親が言ったのに・・・・」
「〇〇中学に入ったら、もう頑張らなくて良いと家族が言ったのに・・・」
あ~僕(私)は親に騙された!!!
ここから2つの実話をお話しましょう。
ある超難関大学附属中学に入学した男子です。
「〇〇大学附属中学に入学さえすれば、〇〇大学までストレート!」
この意識が中学受験時代に脳に定着し、〇〇中学に入学した時点で彼の学びはゴール地点に到達しました。
〇〇中学2年生の彼は
「なぜ、〇〇中学に入学したのに勉強しなくてはならないんだ!」
「進級できれば良いんだろ!」
「これ以上、勉強する意味があるのか!」
「なんの為に勉強しなくてはならないんだよ!」
が口癖でした。
それでなくても、中学2~3年の男子はほぼ反抗期を迎えます。
彼は〇〇中学校で、部活も学校の活動にも積極的に参加することはなく学校と家をただひたすら往復する日々。
〇〇大学の学歴をゲットすることだけが目的の学生生活で「いつも家で寝ている」といった無力感に陥ったのです。
親御さんも中学2年生の彼に「頑張って勉強しなさい!」が堂々と言えません。
あの2年前の
『〇〇大学附属中学に入学さえすれば、〇〇大学に入学できるから』
の発言を子供が覚えていますから・・・
〇〇大学の学歴が得られても、“将来の目標や夢、チャレンジ精神”と全く無縁の彼にとって
「何の為の中学受験だったのか!」と感じます。
超難関女子中学に入学した女子。
中学受験塾ではいつもトップクラスに所属し、彼女の超難関中学合格は確実でした。
このご家庭でも家族一丸となって彼女を応援!
励ましの言葉は、やはり
『〇〇中学に合格さえすれば、“もう勉強しなくても良いから”・・・・』
彼女はこの家族の言葉を信じて必死に頑張り見事に合格!!
ところが、先述の通り入学した難関中学は優秀な女子ばかりですし進度が速く、流石に賢い彼女でも勉強しないではいられません。
中学校に入学すると早速、難関大学に向けての勉強に追い詰められました。
「〇〇中学に合格すれば、“もう勉強しなくて良い”と言ったのに・・・・」
“親に裏切られた”と思う彼女の怒りは日に日に増していきます。
一方、親御さんは中学受験時代に発した“もう勉強しなくて済むから・・・”発言はすでに記憶から消え「何の為に〇〇中学に入ったの!難関大学に入学するためでしょ!しっかり勉強しないと・・・」と子供に発破を掛ける日々。
結末は彼女の親への怒りは収まらず、不登校と言う形で反抗し〇〇中学を辞めてしまいました。
中学受験時代、家族一丸となって「〇〇中学校合格」の目標を達成したにも関わらず、親子の信頼は喪失し、学ぶ“喜び”どころか学びに“憎悪”を感じる結果にまで彼女を追い詰めた中学受験は
「なんの為の中学受験だったのか」と惜しまれてなりません。
中学受験勉強の時期は必死なあまりに「この時期さえ乗り越えれば・・・・」と思う気持ちも十分に分かりますが、どこか親は冷静さを忘れずにいることの大切さを感じます。
中学受験は今後、中学~高校~大学と続く学生時代の一つの過程に過ぎずゴールではありません。
それよりも中学受験勉強で完全燃焼をしてしまい、学びへの意欲を失ったり、勉強への興味・探究心がなくなることの方が長い今後の人生に大きな打撃を与えてしまうことを親御さんは十分に理解して欲しいと思います。
そして、中学受験にチャレンジしている子供達には
未知なことを学ぶ楽しさやワクワク感を実感できる受験勉強であって欲しいと切に願います。
≪ワースト2「日曜テストで〇点以上の成績だったら〇〇して良い」と条件を付ける≫
ついつい目先のテスト(月例テスト・日曜テストなど)の成績が気になり「今度のテストで〇点以上だったら〇○して良いよ~」と激励の気持ちで親御さんは子供に条件を付けがちです。
この条件付き激励は、一瞬子供のモチベーションアップに繋がり成績向上になると思われがちですが、それはとても甘い考えです。
まだまだ10歳前後の子供。
中学受験に対する意識はあるものの、その場の楽しさに魅かれるのは当然のことです。
「“取りあえず”日曜テストで〇点さえ取れれば・・・・・〇〇が出来る!」が過ります。
“取りあえず”テストで〇点取るには・・
“取りあえず”問題1と問題2が出来れば〇点取れる
“取りあえず”問題1と問題2の解き方を“覚えれば”〇点取れる
と、〇点取ることが目的になります。
勿論、テストで〇点取ることを“目標”にするのは良いのですが、〇点取ることが“目的”の勉強になりますと「学びが義務」になってしまいます。
義務化した勉強は
「なぜ、そうなるのか?」「へえ~不思議な現象だ~」と言った未知なことを学ぶ喜びを得ようとしません。
「分かった!」と理解した喜びを感じません。
「どうしたら問題1は解けるのか」「問題2の解き方は?」と解き方(解法テクニック)にばかり執着し、講師のやり方を取りあえず覚え、教材の知識を丸暗記して「〇点勝ち取るために」と目的を達成しようとします。
実は
小学生の子供の脳はスポンジのように興味のあることをドンドン吸収し、自分が「面白い!」「楽しい!」と思ったことは率先して学んでいきます。
子供達は解答よりも興味をもったことの“過程”を知ることに面白味を感じるのです。
全く勉強という意識はなく遊び感覚で探究し、思考力を自ら付けて行きます。
大人では想像できない程、子供の脳には才能があるのです。
少し話がそれました。元に戻しましょう。
一見、条件付きの激励は子供の勉強意欲を高め成績向上に繋がると考えがちですが、実は子
供に条件を獲得する手段を提供しているに過ぎません。
心から学びの喜びを実感する勉強どころか子供を煽らせる羽目になり「〇〇をしても良いと親の許可を得る為に勉強を“しなくてならない”」と義務感を覚えるのです。
義務感でする勉強が楽しいものではないことはご存知だと思います。
楽しくない勉強が身につかないこともご理解出来ると思います。
当然成績は上がりません。
偶に
「子供は一生懸命勉強しているけど、成績が全く上がらなくて・・・」とのお悩みを親御さんからお聞きします。
その子供の勉強は本当に楽しんでやっているでしょうか?
未知なことを知る喜びで学習しているでしょうか?
もしかしたら、義務化された勉強になっていないか。今一度振り返っていただきたいと思います。
『テストで〇点以上だったら〇〇して良い』の条件付きで子供は
1、「〇〇したいから〇点をとらなければならない」と〇点をとることが目的になる
2、目的化した勉強は義務感になる
3、義務化した勉強は学びの喜びを実感しない
4、学びの喜びがない学習に思考力はつかない
5、思考力が乏しい子供は学力がつかない
この現象が循環していき結果、成績向上どころか中学受験もいや、中学以降の勉強にも良い結果を導いてくれることはほぼありません。
ついつい親御さんは塾のクラス編成が気になり、目前の月例テスト(日曜テストなど)の点数を1点でも多く獲得して欲しい願いから条件を付けがちですが、これが習慣になりますと想像以上に今後の勉強意欲に影響を与えるのです。
『学びの喜び』を実感することはなく、それは中高校生の勉強にも大きな打撃を与えます。
≪ワースト3「子供の決定権」を奪ってしまう≫
中学受験は挑む子供だけでなく、勿論親御さんやご家庭の考え、要望などがあるのは当然であり「子供にとって良かれ!」と思って何事も対応なさっているのはとても理解できます。
しかし、最後の決断は子供の意思を尊重して下さい。
何故なら
『中学受験をするのは子供だから』です。
特に、塾の選択、受験校の選択などは必ず「子供が行きたい学校(塾)」と、本人である子供に決定権を委ねましょう。
親が受験校の決定権を奪ってしまった結果「何の為の中学受験勉強だったのか!」という残念に終わった実話を紹介して、このテーマ「中学受験生の親が絶対にしてはいけないこと」を終わりにしたいと思います。
小学6年の男子で9月頃、受験校の過去問対策をして欲しいと言う依頼を受けました。
9月時点では「A大学附属中学校かB中学校を希望している」という親御さんからの要望があり、早速A大学附属中学校とB中学校の算数・理科の過去問をスタート。
ところが2ヶ月後の11月。
A大学附属中学校の過去問が解けないのを見越してか「A大学附属中学校は厳しいみたいなので辞めます。代わりにC中学校にしましたのでこちらの過去問対策をお願いします」と親御さんから連絡。
子供に「A大学附属中学校に行きたかったのではないの?」と尋ねると“合格は厳しいという親の考え”を察知してか「うん、わからない」と返事。
それでも「B中学校には合格できるかも・・・」という子供の切実な願いを感じました。
その1ヶ月後の12月。
「子供がC中学校に行きたい!と言っているのでB中学校の受験は辞めます。代わりにD大学附属中学校を受験しますので、D大学附属中学校の過去問に切り替えて下さい」とまた親から連絡。
流石に驚いて本人に「君はB中学校に行きたかったのではないの?」と聞くと
「うん!僕、C中学校は見学に行ったこともないし、行きたいかどうか“わからない”」
と正直な気持ちが返ってきました。
親御さんに「本人はB中学校を希望していますよ。C中学校は行ったことがないから分からない」と言っていることを伝えますと
「B中学校の国語の試験内容が中学受験に適していません。こんな内容を入試に出す学校は私の家庭の教育方針に合わない」とB中学校の受験を辞めた本音をお聞きして衝撃でした。
『子供の意思ではなく、親の意思で簡単に決める』のです。
B中学校を見学して子供が「行きたい!」と決断したものを、国語の頻出内容が気に入らないといった親の偏見で簡単に子供の決定権を奪ってしまっているのです。
この頃から子供のモチベーションは下がり、授業にも集中力がありません。
当然ですね。自分がB中学校に行きたいから頑張って勉強してきたのに、簡単にその決定権を奪われてしまっているのですから・・・
更に、年も明けて受験を数週間後に控えている最中、
「C中学校とD大学附属中学校の過去問を再度見直すように」とアドバイスを差し上げたところ、
親御さんから「C中学校を受験するのを辞めました」とまたまた衝撃の発言が・・
その理由は
「どう考えても息子がC中学校に合格するとは思えないので・・・」
と返答がありました。
また、
『子供の意思ではなく、親の意思で簡単に決める』のです。
この5か月間
A大学附属中学校からB、C中学校、更にD大学附属中学校と過去問対策をして来ましたが「何のための受験対策だったのか!」と怒りと残念が拭えない始末。
結局
D大学附属中学校(3回まで受験可能な学校)を3回受験して、全て不合格
で彼の中学受験は終了しました。
なぜ
『子供の決定権を奪うのか?』
結論から言えば、
『親が子供を信じ切っていないから。』
“どのような結果で終わっても子供が自分で決めたこと(B中学校に行きたい)を信じ、「決めたことを最後までやりきった」素晴らしさを褒め称えよう“
と心から親が思えないことから生じたこの結末は、一番本人である子供が傷つき忘れることが出来ない悲劇になったと感じてなりません。
受験をするのは子供です。
自分が行きたい!と心から願い、受験校を決めて頑張って勉強したのは子供です。
子供の決定権を絶対に奪わないで下さい。
「中学受験生を持つ親が絶対にしてはいけないこと」ワースト3つを実体験に基づき記載しました。
このワースト3は単なる“中学受験時代の思い出”では済まされず、いつまでも子供達の心に残り大きな影響を及ぼす可能性があることを決して忘れてはなりません。
指導者である私達も同様に、“学びは楽しいもの”であり子供達が将来の目標・夢を抱き様々なことにチャレンジできる助っ人として努めていく次第です。