中学受験合否は理科で決まる!
2025年5月7日
【中学受験合否は理科で決まる!】
2025年度の中学受験も終了し、もう既に来年の入試に向かって新6年生の受験勉強はスタートしました。
今年の受験もここ最近の受験と同様に厳しい戦いでした。
その理由としては、学校側の体制の変化・多様化があるように感じます。
志望校の男子校・女子校から共学への変更、受験科目の変更や配点の変更だけでなく、国際化に向けてグローバル入試による英語重視や帰国生入試の増加、理数科目の強化による算数一科目受験の採用、英検や算数・漢字検定の評価の導入など、志望校の教育体制や入試の多様化により、多くの受験生が工夫を凝らし様々な方法・手段で受験し合格を勝ち取ることが出来るようになったことが挙げられます。
数年前迄は中学受験専門塾で塾のカリキュラムに沿って学習し、日曜テスト等で確実に偏差値をキープしていればある程度の志望校に入学できることが予め見えていた時代でした。
しかし,ここ最近は
塾のカリキュラムに沿った学習から外れ、英語・算数・漢字検定試験や通塾せず算数一科目のみに特化した学習で上手く合格を勝ち取ると言った違ったルートから受験に挑む生徒が増加傾向にあり、全く塾の偏差値だけでは合格の目途が立たない時代に突入して来たことを今年の受験でも痛切に感じました。
言い換えれば、
有名中学受験塾のカリキュラムに沿って日々学習し、日曜テスト(合不合テスト)の偏差値による合格判定のみで受験に挑むようでは満足できる結果に至らないようになって来たということです。
志望校の受験体制の変更、受験方法の多様化などの情報をしっかり把握して、その生徒にとってベストな受験方法を早めに探り対策をとることが重要な課題です。
最早「中学受験の為に有名中学受験塾に早くから通塾し、日曜テストの成績をアップ・上のクラスに上がることが合格を勝ち取る結果に繋がる」といった考えは通用しなくなって来たと言えるでしょう。
「英語や算数に特化した勉強で一科目受験に挑む」
「英語検定や算数検定、漢字検定などに日々挑戦し検定試験で得点を稼ぐ」
などの方法・手段で合格を勝ち取ることも十分に可能であり、何処か余裕を持って受験に挑めるのかもしれません。
是非、参考にしてみて下さい。
では早速今回のテーマ『中学受験合否は理科で決まる!』に入りましょう。
「受験方法・手段の多様化」とは言っても、まだまだ4教科受験が一般的であり志望校の選択において門戸が広いのは事実です。
大半の生徒は中学受験専門塾に通塾し、塾のカリキュラムに沿って各単元を学習し受験に向けて4年生頃から準備を始めているのが一般的でしょう。
その塾に沿った学習では国語・算数の2教科は指導日数・時間とも(理科・社会よりも)ウエイトが高く、また日曜テストなどでも配点が高いため国語・算数に意識が向きがちです。
『先ずは算数と国語』『理科・社会はまだまだ後から』と安易に考えるケースが多く見られ、6年生になっても余裕の無い生徒に於いては『理科・社会は最後に“追い込み”で何とかなる!』と思い込んでしまうケースも少なくありません。
しかし、
結論から申しますと『理科は“追い込み”で何とかなりません!』(社会に関しては分かりませんが・・・・)
実は理科は4教科の中で一番「考える力」を要し、出題範囲が半端なく広く奥深く、理屈を分からずしては全く歯が立たない科目なのです。
「どういうことか?」具体的に説明しましょう。
『理科の入試問題では算数のように正答を導くだけで終わらず、その正答を導いた“根拠”が問われる問題が出題される傾向にある。』
【問題例】
「Aさんは公園で蟻を見つけて家に持って帰りました。蟻を机の上に置いていましたが目を離したすきに落ちてしまいました。「あっ!」と思って恐る恐る蟻を確認したら無事でした。そこでAさんは疑問に思いました。蟻が耐えられる高さって一体どれくらいなのか?」
貴方もAさんのような体験はあると思います。
一体、蟻が耐えられる高さはどれくらいだと考えますか?
是非、○○中学の受験を機会に『蟻について』考え、貴方がそう考えた理由を説明しなさい。
理科の入試問題では、このように実生活で起こりがちなテーマが文章形式で出題され、根拠を持って解答させる出題傾向が増加して来ました。
実生活での体験から勘を働かせて、蟻の耐えられる高さを「5m」「10m」「100m」等と答える生徒もいるでしょうし、知識があり「どの高さでも耐えられる」「全ての高さで耐えられる」と正答を導ける生徒もいるでしょう。
算数の問題ならば正答した生徒にはこの時点で加点されますが、理科では正答しようとしまいが何も加点されません。
「蟻はどの高さにも耐えられる」と正解したとしても、その根拠を自分の言葉で説明出来なければ加点されないのです。
この問題例に関する内容は大手塾のテキストでは「運動・てこ」の単元になりますが、「物の運動」というテーマでほんの約1ページ程度に解説されているに過ぎません。
それも「“運動の法則”には静止・慣性の法則・作用反作用の3つの法則がある」と言った知識の解説がなされているに過ぎず、大半の生徒はこの“3つの法則”を記憶した程度であり、これらが「なぜ起こるのか?」或いは「どのような現象として実際に起こっているか?」などまで奥深く考えた学習はほぼ皆無に等しいと言えます。
受験生の大半は初見の問題であり日常の自分の経験、思考から根拠を導いていかなくてはなりません。
この入試問題は「虫」を題材に日常生活で起こり得る自然体験を通じて「慣性の法則」の理解度を測ったと言えるでしょう。
日頃の学習が知識の押し込みではなく奥深くまで理解し、学んだ内容を如何に日常生活で有効活用しているか否かが試されたと考えます。
恐らく生徒達に「運動の法則を答えなさい」という問題であれば「静止・慣性の法則・作用反作用」とすかさず答えるでしょう。
しかし、残念ながら最近の入試問題ではテキストに掲載されている知識問題を解答させる問題等は出題されなくなってきました(それだと大半の生徒が正答しますので・・・)。
つまり、志望校の入学試験では、塾のテキストで学んだ程度の知識は「知っているのが当たり前」であり、その知り尽くした知識を根本から理解し活用出来るまでの能力が問われるのです。
そこまで能力を鍛えるには、とても「最後の“追い込みで何とかなる」わけがないことは納得できるでしょう。
また
『理科の出題範囲は限りなく広く奥深くどの塾の優れたテキストで学習をしていても、テキストの解法や塾講師の解説を理解しただけでは限界がある』
【問題例】
「皆さんは日頃、豆腐を食べると思います。豆腐は知っている通り柔らかく、そのまま何個も積み重ねると下の豆腐は潰れてしまいます。
しかし、スーパー等では容器に入った豆腐が何個も積み重ねられて販売されています。
何故、容器に入った豆腐は何個も積み重ねられても柔らかいのに潰れないのでしょうか。
どのような工夫がなされているのか?
そして、そのような工夫をすることで何故、潰れにくくなるのか?
以下の内容を踏まえて説明しなさい。
①ピーチボールを教室の床で弾ませた時、空気があまり入っていないボールよりも空気が沢山入っているボールの方がよく弾む
②空気を入れたペットボトルを潰すために力を入れると力を入れれば入れるほど手応えが大きくなる。最後まで押しつぶせそうだが、最後まで押しつぶすことは出来ない。
③水を入れたペットボトルは全く手応えがなく押しつぶすことは出来ない。
こちらもある理系の中学校の入試に出題された問題ですが、恐らく水で満たされている豆腐パックについて授業で解説している中学受験進学塾は皆無に等しいでしょう。
また、豆腐は知っていても日頃買い物をしない生徒は豆腐がどのような容器に入って、どのように陳列されて販売されているか?さえ知らない生徒もいたのではないでしょうか。
こちらの中学も如何に日常生活に於いて関心を持って過ごしているか否かを測った問題でした。
この問題例に関する内容は大手進学塾のテキストでは「燃焼・熱」の単元になりますが「物の膨張」というテーマでほんの僅か半ページ程度に解説されているに過ぎません。
塾の学習のみでこれらの問題に対応することには無理があり、如何に日頃、風船が破裂する瞬間やペットボトルを凍らせて破裂させてしまった失敗、沸騰させるとピ~と鳴り響く“やかん”など、テキスト以外の日常に注意深く関心を持って生活しているかが問われます。
大半の生徒はこの問題の一般的な解答として
「緩衝材(クッション)の役目として容器に水を入れて潰れないように工夫をする。」
と答えがちですが、この解答では全く通用しません。
何故水を入れると潰れないのか?の根拠が説明されていませんし、そもそも①~③の内容を踏まえた説明には程遠いからです。
少し機転を利かした生徒は、①~③の内容を踏まえた上で考えて
「豆腐の容器は真空状態になっているから・・・・」などと答えるかもしれません。
が、真空状態であれば逆に潰れやすくなるはずです。(誤答ですが真剣に考えた点は評価します)
①~③の内容を踏まえ
「豆腐の容器の中には豆腐の周囲に水が“満杯”に入っており、“水はどんなに強く押しても体積は殆ど変わらない”と言った性質を利用して豆腐が潰れるのを防いでいるから」と答える必要があるでしょう。
このように、理科の中学入試問題は「豆腐」一つで問題が出来てしまいます。言い換えれば「豆腐」一つが合否の決め手になるのです。
理科は出題題材が限りなく広く、とても見当がつきません。更にその題材は知識だけで解答することは困難な形式で作成されており根底から理解し、理解した内容を応用して活用出来なければ正答が得られないように工夫を凝らして出題されています。
塾のテキストで知識を丸暗記、演習問題を公式通りに解いて受験に挑むようでは全く歯が立たないのが現状です。
繰り返しになりますが、一つ一つの現象について「なぜそうなるのか?」根底から理解し、理解した内容を様々な方向から活用できる能力が必要になります。
そこまで能力を鍛えるには、とても「最後の“追い込みで何とかなる」わけがないことは納得できるでしょう。
中学受験生の多くは4教科受験を志望します。4教科バランス良く学習を進めていくことは大変ですし、苦手科目があるのは致し方がないことだと思います。
「苦手科目は得意科目でカバーすれば何とかなる」と考えがちですし、特に得意科目がかなり秀でていますと苦手科目が然程気にならず偏差値にも影響が少ないことから「苦手科目」の克服から遠ざかる傾向にあります。
また、国語・算数が点数のウエイトも高いためこの2科目に重点を置く傾向にもあります。
日頃の日曜テスト(合不合テスト)でも、得意科目で点数を稼ぐ方法で順位・偏差値を上げている生徒もお見受けしますが、これも本番の入試では当てにはなりません。
志望校の入試で例え理科・社会の配点が国語・算数の配点よりも低かったとしても、入試には貴方と同程度の受験生ばかりであり「どの科目も失点が許されない」からです。
「1点が合否を決める」入試です。
「理科・社会はまだまだ後で」「理科・社会は最後に追い込みで何とかなる」と過信しないようにしましょう。
毎年、夏休み頃から理科・社会に取り組み、入試直前に「こんなはずではなかった」と後悔する生徒や2科目受験に変更せざる負えない生徒が存在するのを、とても残念に思います。
是非、参考にして下さい。
このページは自動的に翻訳されました。元の内容と異なる場合がありますので、ご注意ください。
2025年度の中学受験も終了し、もう既に来年の入試に向かって新6年生の受験勉強はスタートしました。
今年の受験もここ最近の受験と同様に厳しい戦いでした。
その理由としては、学校側の体制の変化・多様化があるように感じます。
志望校の男子校・女子校から共学への変更、受験科目の変更や配点の変更だけでなく、国際化に向けてグローバル入試による英語重視や帰国生入試の増加、理数科目の強化による算数一科目受験の採用、英検や算数・漢字検定の評価の導入など、志望校の教育体制や入試の多様化により、多くの受験生が工夫を凝らし様々な方法・手段で受験し合格を勝ち取ることが出来るようになったことが挙げられます。
数年前迄は中学受験専門塾で塾のカリキュラムに沿って学習し、日曜テスト等で確実に偏差値をキープしていればある程度の志望校に入学できることが予め見えていた時代でした。
しかし,ここ最近は
塾のカリキュラムに沿った学習から外れ、英語・算数・漢字検定試験や通塾せず算数一科目のみに特化した学習で上手く合格を勝ち取ると言った違ったルートから受験に挑む生徒が増加傾向にあり、全く塾の偏差値だけでは合格の目途が立たない時代に突入して来たことを今年の受験でも痛切に感じました。
言い換えれば、
有名中学受験塾のカリキュラムに沿って日々学習し、日曜テスト(合不合テスト)の偏差値による合格判定のみで受験に挑むようでは満足できる結果に至らないようになって来たということです。
志望校の受験体制の変更、受験方法の多様化などの情報をしっかり把握して、その生徒にとってベストな受験方法を早めに探り対策をとることが重要な課題です。
最早「中学受験の為に有名中学受験塾に早くから通塾し、日曜テストの成績をアップ・上のクラスに上がることが合格を勝ち取る結果に繋がる」といった考えは通用しなくなって来たと言えるでしょう。
「英語や算数に特化した勉強で一科目受験に挑む」
「英語検定や算数検定、漢字検定などに日々挑戦し検定試験で得点を稼ぐ」
などの方法・手段で合格を勝ち取ることも十分に可能であり、何処か余裕を持って受験に挑めるのかもしれません。
是非、参考にしてみて下さい。
では早速今回のテーマ『中学受験合否は理科で決まる!』に入りましょう。
「受験方法・手段の多様化」とは言っても、まだまだ4教科受験が一般的であり志望校の選択において門戸が広いのは事実です。
大半の生徒は中学受験専門塾に通塾し、塾のカリキュラムに沿って各単元を学習し受験に向けて4年生頃から準備を始めているのが一般的でしょう。
その塾に沿った学習では国語・算数の2教科は指導日数・時間とも(理科・社会よりも)ウエイトが高く、また日曜テストなどでも配点が高いため国語・算数に意識が向きがちです。
『先ずは算数と国語』『理科・社会はまだまだ後から』と安易に考えるケースが多く見られ、6年生になっても余裕の無い生徒に於いては『理科・社会は最後に“追い込み”で何とかなる!』と思い込んでしまうケースも少なくありません。
しかし、
結論から申しますと『理科は“追い込み”で何とかなりません!』(社会に関しては分かりませんが・・・・)
実は理科は4教科の中で一番「考える力」を要し、出題範囲が半端なく広く奥深く、理屈を分からずしては全く歯が立たない科目なのです。
「どういうことか?」具体的に説明しましょう。
『理科の入試問題では算数のように正答を導くだけで終わらず、その正答を導いた“根拠”が問われる問題が出題される傾向にある。』
【問題例】
「Aさんは公園で蟻を見つけて家に持って帰りました。蟻を机の上に置いていましたが目を離したすきに落ちてしまいました。「あっ!」と思って恐る恐る蟻を確認したら無事でした。そこでAさんは疑問に思いました。蟻が耐えられる高さって一体どれくらいなのか?」
貴方もAさんのような体験はあると思います。
一体、蟻が耐えられる高さはどれくらいだと考えますか?
是非、○○中学の受験を機会に『蟻について』考え、貴方がそう考えた理由を説明しなさい。
理科の入試問題では、このように実生活で起こりがちなテーマが文章形式で出題され、根拠を持って解答させる出題傾向が増加して来ました。
実生活での体験から勘を働かせて、蟻の耐えられる高さを「5m」「10m」「100m」等と答える生徒もいるでしょうし、知識があり「どの高さでも耐えられる」「全ての高さで耐えられる」と正答を導ける生徒もいるでしょう。
算数の問題ならば正答した生徒にはこの時点で加点されますが、理科では正答しようとしまいが何も加点されません。
「蟻はどの高さにも耐えられる」と正解したとしても、その根拠を自分の言葉で説明出来なければ加点されないのです。
この問題例に関する内容は大手塾のテキストでは「運動・てこ」の単元になりますが、「物の運動」というテーマでほんの約1ページ程度に解説されているに過ぎません。
それも「“運動の法則”には静止・慣性の法則・作用反作用の3つの法則がある」と言った知識の解説がなされているに過ぎず、大半の生徒はこの“3つの法則”を記憶した程度であり、これらが「なぜ起こるのか?」或いは「どのような現象として実際に起こっているか?」などまで奥深く考えた学習はほぼ皆無に等しいと言えます。
受験生の大半は初見の問題であり日常の自分の経験、思考から根拠を導いていかなくてはなりません。
この入試問題は「虫」を題材に日常生活で起こり得る自然体験を通じて「慣性の法則」の理解度を測ったと言えるでしょう。
日頃の学習が知識の押し込みではなく奥深くまで理解し、学んだ内容を如何に日常生活で有効活用しているか否かが試されたと考えます。
恐らく生徒達に「運動の法則を答えなさい」という問題であれば「静止・慣性の法則・作用反作用」とすかさず答えるでしょう。
しかし、残念ながら最近の入試問題ではテキストに掲載されている知識問題を解答させる問題等は出題されなくなってきました(それだと大半の生徒が正答しますので・・・)。
つまり、志望校の入学試験では、塾のテキストで学んだ程度の知識は「知っているのが当たり前」であり、その知り尽くした知識を根本から理解し活用出来るまでの能力が問われるのです。
そこまで能力を鍛えるには、とても「最後の“追い込みで何とかなる」わけがないことは納得できるでしょう。
また
『理科の出題範囲は限りなく広く奥深くどの塾の優れたテキストで学習をしていても、テキストの解法や塾講師の解説を理解しただけでは限界がある』
【問題例】
「皆さんは日頃、豆腐を食べると思います。豆腐は知っている通り柔らかく、そのまま何個も積み重ねると下の豆腐は潰れてしまいます。
しかし、スーパー等では容器に入った豆腐が何個も積み重ねられて販売されています。
何故、容器に入った豆腐は何個も積み重ねられても柔らかいのに潰れないのでしょうか。
どのような工夫がなされているのか?
そして、そのような工夫をすることで何故、潰れにくくなるのか?
以下の内容を踏まえて説明しなさい。
①ピーチボールを教室の床で弾ませた時、空気があまり入っていないボールよりも空気が沢山入っているボールの方がよく弾む
②空気を入れたペットボトルを潰すために力を入れると力を入れれば入れるほど手応えが大きくなる。最後まで押しつぶせそうだが、最後まで押しつぶすことは出来ない。
③水を入れたペットボトルは全く手応えがなく押しつぶすことは出来ない。
こちらもある理系の中学校の入試に出題された問題ですが、恐らく水で満たされている豆腐パックについて授業で解説している中学受験進学塾は皆無に等しいでしょう。
また、豆腐は知っていても日頃買い物をしない生徒は豆腐がどのような容器に入って、どのように陳列されて販売されているか?さえ知らない生徒もいたのではないでしょうか。
こちらの中学も如何に日常生活に於いて関心を持って過ごしているか否かを測った問題でした。
この問題例に関する内容は大手進学塾のテキストでは「燃焼・熱」の単元になりますが「物の膨張」というテーマでほんの僅か半ページ程度に解説されているに過ぎません。
塾の学習のみでこれらの問題に対応することには無理があり、如何に日頃、風船が破裂する瞬間やペットボトルを凍らせて破裂させてしまった失敗、沸騰させるとピ~と鳴り響く“やかん”など、テキスト以外の日常に注意深く関心を持って生活しているかが問われます。
大半の生徒はこの問題の一般的な解答として
「緩衝材(クッション)の役目として容器に水を入れて潰れないように工夫をする。」
と答えがちですが、この解答では全く通用しません。
何故水を入れると潰れないのか?の根拠が説明されていませんし、そもそも①~③の内容を踏まえた説明には程遠いからです。
少し機転を利かした生徒は、①~③の内容を踏まえた上で考えて
「豆腐の容器は真空状態になっているから・・・・」などと答えるかもしれません。
が、真空状態であれば逆に潰れやすくなるはずです。(誤答ですが真剣に考えた点は評価します)
①~③の内容を踏まえ
「豆腐の容器の中には豆腐の周囲に水が“満杯”に入っており、“水はどんなに強く押しても体積は殆ど変わらない”と言った性質を利用して豆腐が潰れるのを防いでいるから」と答える必要があるでしょう。
このように、理科の中学入試問題は「豆腐」一つで問題が出来てしまいます。言い換えれば「豆腐」一つが合否の決め手になるのです。
理科は出題題材が限りなく広く、とても見当がつきません。更にその題材は知識だけで解答することは困難な形式で作成されており根底から理解し、理解した内容を応用して活用出来なければ正答が得られないように工夫を凝らして出題されています。
塾のテキストで知識を丸暗記、演習問題を公式通りに解いて受験に挑むようでは全く歯が立たないのが現状です。
繰り返しになりますが、一つ一つの現象について「なぜそうなるのか?」根底から理解し、理解した内容を様々な方向から活用できる能力が必要になります。
そこまで能力を鍛えるには、とても「最後の“追い込みで何とかなる」わけがないことは納得できるでしょう。
中学受験生の多くは4教科受験を志望します。4教科バランス良く学習を進めていくことは大変ですし、苦手科目があるのは致し方がないことだと思います。
「苦手科目は得意科目でカバーすれば何とかなる」と考えがちですし、特に得意科目がかなり秀でていますと苦手科目が然程気にならず偏差値にも影響が少ないことから「苦手科目」の克服から遠ざかる傾向にあります。
また、国語・算数が点数のウエイトも高いためこの2科目に重点を置く傾向にもあります。
日頃の日曜テスト(合不合テスト)でも、得意科目で点数を稼ぐ方法で順位・偏差値を上げている生徒もお見受けしますが、これも本番の入試では当てにはなりません。
志望校の入試で例え理科・社会の配点が国語・算数の配点よりも低かったとしても、入試には貴方と同程度の受験生ばかりであり「どの科目も失点が許されない」からです。
「1点が合否を決める」入試です。
「理科・社会はまだまだ後で」「理科・社会は最後に追い込みで何とかなる」と過信しないようにしましょう。
毎年、夏休み頃から理科・社会に取り組み、入試直前に「こんなはずではなかった」と後悔する生徒や2科目受験に変更せざる負えない生徒が存在するのを、とても残念に思います。
是非、参考にして下さい。
